令和2年12月11日(金)にザ・プリンスさくらタワー東京2F コンファレンスフロアをメイン会場として、第4回先進医薬研究報告会をオンラインで開催いたしました。
例年の先進医薬研究報告会では、「先進研究助成の成果報告」と、若手研究者継続助成の選考を兼ねた「若手研究者助成の成果報告」を行い、意見交換会にて最優秀者(若手研究者継続助成対象者)発表を行っていました。対面での報告会としていましたので、若手研究者などの報告者や財団関係者など約70名を会場で迎えていました。しかし、令和2年度はCOVID-19の影響を踏まえて、オンライン配信での報告会としました。会場参加は先進研究助成の成果報告を頂く吉村先生と座長の西川先生のみで、理事長、常務理事と事務局メンバーがお迎えしました。
オンライン開催には利点があり、COVID-19を含めた診療でご多忙な先生を、決して広くはない会場にお迎えする必要はなく、また、多くの先生方にオンライン開催案内をすることが出来ました。案内に際しては成果発表していただく助成金受領者および理事、評議員、選考委員などの財団関係者以外に、令和2年度の応募者全員にご案内しました。その結果、約200名の参加希望があり、当日は160名の先生方の参加を頂くことが出来ました。助成金交付対象から外れた応募者にも、多数ご参加いただきました。
一方でオンライン開催のため、研究者間のコミュニケーションを図るという目的は達成できず、コロナ禍の終息を待ち望むことになりました。
会場準備 |
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オンライン開催であることより、プログラムは以下のように構成しました。
1.理事長挨拶(財団の紹介)
2.先進研究報告(第1回先進研究助成金受領者 慶應義塾大学医学部 吉村 昭彦 先生)
3.授賞式
(1) 令和2年度 助成対象者の発表
・海外留学助成 ・第4回先進研究助成 ・COVID-19関連特別研究助成
(2) 令和3年度 助成計画の紹介
(3) 若手研究者継続助成金交付対象者の発表と講評
(4) 令和2年度の助成対象者計103名の発表
開会にあたり、理事長より財団事業および本研究報告会の目的について紹介がありました。
(オンライン配信画面) | (和田理事長 挨拶) |
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引き続き先進研究報告は、当財団評議員の京都大学名誉教授 西川伸一先生に座長を務めて頂き、第1回先進研究助成者の、慶應義塾大学医学部 微生物・免疫学教室 教授 吉村昭彦先生より、「脳内炎症の収束と組織修復にかかわる免疫細胞の解析」についての研究報告を頂きました。
マウス脳梗塞モデルを用いて脳梗塞慢性期の神経症状の回復には脳特異的な制御性T細胞(脳Treg)が重要な役割を果たしていることを解明した研究報告がなされました。今後は、脳Tregを誘導することによって脳梗塞悪化の予防を目指すことや、本研究によって脳Tregが脳内炎症に関わる他の疾患にも重要な役割を果たしている可能性が示唆されました。
質疑は十分な時間を取れませんでしたが、当日紹介することができなかったチャットによる質問に対して、後日吉村先生のご厚意により回答を頂くことができました。
(演者:吉村昭彦先生) | (座長:西川伸一先生) |
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授賞式は、先進研究助成対象者(1,000万円)、海外留学助成対象者(500万円)の発表に続いて、本年度特別に助成を追加したCOVID-19関連特別研究助成対象者(200万円)2名の発表を、サプライズで行いました。
例年の海外留学助成対象者発表は「海外留学助成認定贈呈式」として行っていましたが、本年度はCOVID-19の影響を受け、助成金交付対象者は紹介のみとしました。出国時期に不安を抱えておられる先生方が多いと見受けられましたが、計画どおり留学先に赴かれ、先生方の研究が益々発展することを願っております。
次に若手研究者継続助成金交付対象者は、一昨年までは当日の口頭発表を聴講した分科会委員の採点を集計して発表していましたが、今回は事前のビデオ視聴による審査を行いました。そして、各分野の分科会委員長あるいは委員長代理より、最優秀者(継続助成金交付対象者)の発表と講評が述べられました。また、各分野の最優秀者より受賞のコメントを頂きました。
その後、令和3年度の助成計画が発表され、COVID-19関連研究に対する助成として各分野2件、計6件が追加予定であることが公表されました。
最後に令和2年度の助成金交付対象者103名が、研究課題とともにエンドロールで紹介されました。