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第2回 先進医薬研究報告会

先進医薬研究報告会

 平成30年12月14日(金)ザ・プリンスさくらタワー東京2Fコンファレンスフロアにて第2回先進医薬研究報告会を開催いたしました。
 本研究報告会は、従来開催していました「精神神経系薬物治療研究報告会」を改め、「精神薬療分野」、「血液医学分野」、「循環医学分野」の3分野の若手研究者の発表と交流を目的として、平成29年より始めたものです。
 当日は、平成29年度若手研究者助成金受領者、平成27年度特定研究助成金受領者、財団関係者、聴講者の方々を含め約70名の参加がありました。
 開会にあたり、和田邦義理事長より財団事業の紹介、本研究報告会の目的について紹介がありました。

(和田理事長 挨拶)(口演会場)

 平成29年度の若手研究者助成金受領者の発表は分科会形式で、3会場に分かれて行われました。
 「精神分科会」では、加藤進昌先生(理事)、小山司先生(理事)を座長に、10名の若手研究者により統合失調症、気分障害、自閉症、認知症に関わる研究等について口演発表が行われました。
 「血液分科会」では、鈴木宏治先生(理事)、原寿郎先生(理事)を座長に、10名の若手研究者により免疫、炎症、造血幹細胞ニッチ、エピジェネティック制御に関わる研究等について口演発表が行われました。
 「循環分科会」では、峰松一夫先生(理事)、島本和明先生(理事)を座長に、10名の若手研究者により脳梗塞、動脈硬化症、心不全に関わる研究等について口演発表が行われました。
 また、理事、選考委員で構成される審査委員が若手研究者の発表を審査し、各分野1名の最優秀発表者(継続助成交付対象者)が選考されました。

(座長:加藤進昌先生) (座長:小山司先生) (座長:鈴木宏治先生)
(座長:原 寿郎先生) (座長:峰松一夫先生) (座長:島本和明先生)

 分科会終了後、武田雅俊先生(理事)を座長に、平成27年度特定研究助成金受領者である堀内久徳先生と南野徹先生の2名による研究成果の報告が行われました。
 堀内先生は「循環器疾患に伴う後天性フォンウィルブランド症候群の実態解明」というタイトルで止血因子のフォンウィルブランド因子(VWF)が特異的蛋白質分解酵素ADAMT13によって、ずり応力依存的に切断されること、血液の流速が早くなる基礎疾患があると、VWF高分子多量体が欠損することから、消化管出血等の止血異常を伴う後天性VWF症候群を生じること、後天性VWF症候群を生じる疾患として大動脈弁狭窄症、肺高血圧症、僧帽弁閉鎖不全や人工心臓装着例があること、そしてVWF因子多量体の定量的評価法を構築したことが報告されました。
 南野先生は「血管ニッチにおける老化シグナルを介した組織幹細胞不全発症機序の解明」というタイトルで、DNAダメージシグナルのp53/p21に着目した研究で、加齢疾患の動脈硬化や糖尿病で老化細胞の増加がた認められること、放射線照射や抗がん剤などのストレスが血液幹細胞や前駆細胞の減少をもたらすこと、老化細胞除去薬(セノリティクス)として老化関連分子のSAGPをターゲットとした研究や、老化細胞除去ワクチンの研究が進んでいることなどを報告されました。

(座長:武田雅俊先生) (演者:堀内久徳先生) (演者:南野徹先生)

 特定研究報告終了後、意見交換会を開催しました。小山司先生(理事)のご挨拶の後、「平成30年度海外留学助成認定書贈呈式」および「若手研究者助成 最優秀発表者認定書贈呈式」を行いました。「若手研究者助成 最優秀発表者」には今後1年間の研究助成が継続され、助成金100万円が支給されます。
 本年度も多くの先生方にご参加いただき充実した研究報告会となりました。

(乾杯挨拶:小山司先生)
精神薬療分野 海外留学助成受領者
左より(岸本年史先生・選考委員)
(木村大樹先生・名古屋大学)
(大塚郁夫先生・神戸大学)
血液医学分野 海外留学助成受領者
左より(宮田敏行先生・選考委員)
(千藤荘先生・神戸大学)
循環医学分野 海外留学助成受領者
左より(吉村紳一先生・選考委員)
(三木健嗣先生・京都大学)
(後藤信一先生・慶應義塾大学)
精神薬療分野 最優秀発表者
左より(樋口輝彦先生・理事)
(武田朱公先生・大阪大学)
血液医学分野 最優秀発表者
左より(吉岡章先生・理事)
(井上毅先生・大阪大学)
循環医学分野 最優秀発表者
左より(堀正二先生・理事)
(楠本大先生・慶應義塾大学)
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