平成19年12月8日(土)午後より海運クラブ(東京都千代田区)にて第40回記念「精神神経系薬物治療研究報告会」が 盛大に開催されました。当日は北は北海道から南は沖縄県の大学精神科教授並びに諸先生方、財団関係者、 田辺三菱製薬グループの方々など150人を超える講演会となりました。今回は40回記念大会ということもあり、 例年の研究成果報告の形は取らず、「精神薬療40年を振り返って」をメーンテーマとして基調講演、特別講演、 研究報告の3部構成で進めました。
基調講演は帝京大学名誉教授の風祭元先生の座長のもと、名古屋大学名誉教授 笠原嘉先生の「財団40周年を祝って」と 題したご講演を拝聴いたしました。過去に当財団の理事長も務められた笠原先生は、お元気な張りのある声で財団の歴史と その逸話をお話しいただきました。
特別講演は北海道大学教授の小山司先生の座長のもと、北海道大学名誉教授 山下格先生により「精神薬療研究の潮流」と題し、当財団の研究発表内容の推移と精神薬療の潮流をうまくかみ合わせた お話しをいただきました。特に臨床医学と基礎医学のバランスについて過去と現在を的確に解説していただいたのが印象的でした。
研究報告については当財団が過去11年に渡って実施してきた「海外留学助成」の支援による留学から帰国され、 現在、医療現場や研究現場でご活躍されている若手3名の先生方の最新研究成果を聞かせていただきました。 名古屋大学教授の尾崎紀夫先生の座長のもと、岡山大学講師の石原武士先生、三重大学教授の岡田元宏先生、 東京大学講師の笠井清登先生より、それぞれ脳内における重要な蛋白であるタウ蛋白の研究、神経伝達機構から みた精神疾患との関連、統合失調症患者の脳内の病変など最新の知見について発表をしていただきました。 会場からは活発な質問が出るなど、最先端の研究に熱い視線が送られていました。
最後に当財団の小峰健嗣理事長より財団の歩んできた歴史とそれを支えてくださった先生方への謝辞があり、 講演会は盛会裏に終了いたしました。
その後会場を変えた交見会では、講演会とは一転和やかで朗らかな雰囲気で談笑する姿があちこちで見受けられました。 今後次の50周年を目指して財団活動を行い、またご支援いただけるようお願いして散会となりました。
会場 | 笠原 嘉名誉教授(名古屋大学) | 山下 格名誉教授(北海道大学) |
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