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第49回 研究報告会

精神神経系薬物治療研究報告会

 第49回精神神経系薬物治療研究報告会を平成28年12月2日(金)千里ライフサイエンスセンター(大阪)で開催しました。
 この報告会は、精神薬療分野の平成27年度助成金受領者にその研究成果を報告していただくもので、当日は、発表者、共同研究者及び財団関係者並びに聴講者の方々を含めて約70名の参加がありました。一般研究助成金受領者24名、若手研究者助成金受領者10名の中から口演発表9題とポスター発表25題、特別講演は、東京大学大学院医学研究科教授 笠井清登先生にお願いしました。
 開会にあたり当財団の理事長 村松より精神薬療分野における本報告会の特徴や歴史とともに平成29年度からの第Ⅱ期中期計画(平成29年度 ~ 31年度)に伴う助成事業や新たな研究報告会等についての紹介がありました。

(村松実理事長 挨拶) (口演会場)
(村松実理事長 挨拶)(口演会場)

 口演発表では、村井俊哉先生(選考委員)を座長に自閉症関連2題、統合失調症関連、依存症関連が各1題ずつ発表されました。

座長:村井俊哉先生 演者:佐々木哲也先生(国立精神・神経医療研究センター) 演者:前川素子先生(理化学研究所) 演者:松浦暁子先生(千葉大学) 演者:鶴見孝介先生(京都大学)
座長:村井俊哉先生 演者:佐々木哲也先生
(国立精神・神経医療
センター)
演者:前川素子先生
(理化学研究所)
演者:松浦暁子先生
(千葉大学)
演者:鶴見孝介先生
(京都大学)

 さらに座長を大森哲郎先生(前選考委員)に交代し、うつ病関連3題、睡眠関連1題、パニック症関連1題が発表されました。

座長:大森哲郎先生 演者:渕上学先生(広島大学) 演者:寺石俊也先生(国立精神・神経医療研究センター) 演者:山田貴志先生(国際電気通信基礎技術研究所) 演者:坂口昌徳先生(筑波大学) 演者:浅見剛先生(横浜市立大学)
座長:大森哲郎先生 演者:渕上学先生
(広島大学)
演者:寺石俊也先生
(国立精神・神経医療
センター)
演者:山田貴志先生
(国際電気通信
基礎技術研究所)
演者:坂口昌徳先生
(筑波大学)
演者:浅見剛先生
(横浜市立大学)

 特別講演は、加藤進昌先生(理事)に座長をお願いし、笠井清登先生(選考委員)に「統合失調症の病態解明へのアプローチ」というタイトルでご講演を頂きました。
 笠井先生は「トランスレータブル脳指標」、「目指すアウトカムの変化への対応」、「思春期主体価値への統合」の3点について講演されました。
 トランスレータブル脳指標は、齧歯類、霊長類、ヒトで共通に計測できる指標であるが、齧歯類を中心としたモデル動物の研究結果をヒトに用いるには限界がある。マーモセットのような霊長類を用いてトランスレータブル脳指標を計測し、その結果とヒトの成績を比較することで、統合失調症の病態解明や新しい治療法の開発につながる可能性があることを紹介されました。
 統合失調症治療が目指すアウトカムを症状寛解からリカバリー、すなわち患者の主観的幸福ということを考える必要がある。そのためには、思春期に主体的価値がどのように形成されるかを研究してゆくことが重要であることを指摘されました。

座長:加藤進昌先生 演者:笠井清登先生
座長:加藤進昌先生 演者:笠井清登先生

 特別講演に続いて5パートに分かれてポスター発表が行われました。松永寿人先生(選考委員)、岸本年史先生(選考委員)、三國雅彦先生(理事)、白川治先生(評議員)、篠崎和弘先生(前選考委員)に座長をお願いいたしました。
 統合失調症、気分障害、認知症、発達障害等の病態解明や診断方法、新規治療法の開発等の研究の発表があり、また活発な討議が行われました。

ポスター会場 ポスター会場
ポスター会場 ポスター会場

 なお、49回を数えました本研究報告会は本年度をもって終了し、来年度からは、「第1回先進医薬研究報告会」として、前年度の精神薬療分野、血液医学分野、循環医学分野の若手究者助成金受領者の成果発表と交流の場として新たな一歩を踏み出すこととなりました。皆様の一層のご支援をよろしくお願い申し上げます。

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