研究者名 | 所属機関 | 研究課題 | 助成額 (万円) |
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星野 温 アブストラクト 研究報告書 | 京都府立医科大学 循環器内科 | 人工知能ガイド指向性進化スクリーニングによるウイルス高親和性ACE2変異体創作 | 200 |
新型コロナウイルスが感染する際の受容体であるACE2タンパク質を改変してウイルスとの結合力を約100倍にまで高め、抗体製剤と同等の治療効果を持つウイルス中和タンパク質を開発した。この改変ACE2受容体は抗体製剤等を用いた治療で懸念されるウイルス変異株による治療効果の減弱が起こらない大きな利点があり、オミクロン株を含むすべての変異株に有効であることを確認している。またマウスやハムスターの感染モデルにおいて静脈投与、吸入投与での有効性も確認された。さらに将来のコロナウイルス感染症の原因となりうるサルベコウイルスにも有効なため現在のCOVID-19治療薬だけでなく将来のパンデミックに対する備蓄薬としても期待される。 | |||
松下 修三 アブストラクト 研究報告書 | 熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センター 臨床レトロウイルス学分野 | 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を中和するヒト単クローン抗体の作成 | 200 |
本研究では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染例から中和抗体を樹立し、中和抗体による予防・治療法の開発を目指す。SARS-CoV-2感染回復期症例から遺伝子クローニングによって作成した組み換え抗体のうち88クローンがSpike蛋白結合活性を示した。中和活性を認めたクローン中9-105抗体はIC50:3.5 ng/mLと強力な中和活性を示すばかりでなく、強力な結合活性 (KD: 2.03 x 10-12M)を示した。9-105抗体は、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株などの変異株に対し強力な交差中和活性を示したが、オミクロン株については効力の低下を認めたため、新たにオミクロン株をカバーする中和抗体パネルを作成した。先行する中和抗体製剤は効力及びコストに問題を抱えている。9-105抗体を含む中和抗体パネルの臨床応用は、SARS-CoV-2パンデミック終息の切り札となりうる。 |