研究者名 | 所属機関 | 研究課題 | 助成額 (万円) |
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猪原 匡史 アブストラクト 研究報告書 | 国立循環器病研究センター 脳血管部門 脳神経内科 | 脳梗塞の発症を促進する東アジア特有の遺伝・環境要因の解明 | 1,000 |
RNF213関連血管症は頭蓋内動脈狭窄を来す東アジア固有の脳梗塞病型である.本研究により,RNF213 p.R4810Kバリアントは冠攣縮性狭心症の強いリスクであることも明らかとなり,RNF213は循環器病の鍵遺伝子であることが明らかとなった.本研究により,RNF213 p.R4810Kバリアント保有者の脳血管障害発症に関連する環境因子として抗TPO抗体,遺伝要因としてFHの遺伝子バリアントが同定された.これにより,抗TPO抗体や脂質異常症がRNF213バリアント保有者における治療ターゲットとなる可能性があることが示された.さらに,ラクナ梗塞・脳出血例に,希少難病CADASIL(皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症)の原因となるNOTCH3バリアントが潜在する可能性を見出した.以上,本研究により,本邦の脳卒中の主要病型の発症に影響を及ぼす重要な環境要因や遺伝子バリアントが明らかとなった. |