研究者名 | 所属機関 | 研究課題 | 助成額 (万円) |
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㓛刀 浩 アブストラクト 研究報告書 | 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部 | 向精神薬の脳内濃度を規定する要因に関する検討 | 1,000 |
精神疾患患者における向精神薬の脳脊髄液(CSF)中濃度を測定し、それを規定する要因を明らかにすることを目的とする。統合失調症27名、双極性障害15名、大うつ病28名の血漿およびCSFを用いて、LC-MS-MSによりリスペリドン、オランザピン、アリピプラゾール、クエアチピン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、ミルタザピン、エスシタロプラム、バルプロ酸、ラモトリギンおよびパリペリドン濃度を測定した。いずれの薬物においても血漿とCSF中濃度間に相関係数0.75以上の正の相関を認めたが、血漿/CSF濃度比はおよそ2~200と薬物によって約100倍のばらつきがあった。内服量と6種類の血漿中薬物濃度、3種類のCSF中薬物濃度が有意な正の相関を示した。2種類の薬物のCSF中濃度とうつ病症状スコア間に有意な負の相関を認めた。今後は、CSF中の薬物濃度を規定する遺伝的要因などを明らかにしていく。 |