研究者名 | 所属機関 | 研究課題 | 助成額 (万円) |
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内田 裕之 アブストラクト 研究報告書 | 慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 | 治療抵抗性うつ病の回復過程に関わる病態基盤の解明 | 1,000 |
ケタミンの抗うつ効果の作用機序は十分に解明されていない。本プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験では、治療抵抗性うつ病に対するケタミンの抗うつ効果とその作用機序を脳内AMPA受容体に着目し検証した。ヒト生体脳内のAMPA受容体を定量できるポジトロン断層法薬剤[11C]K-2を用いて、ケタミン投与前後のAMPA受容体の密度変化を測定した。ケタミン治療群の反応者において特定部位のAMPA受容体の密度が有意に増加した。また、治療前に一部領域のAMPA受容体密度の低さと介入前後のうつ症状の改善の程度に有意な相関を認めた。本研究は、ケタミンの即効性抗うつ効果における神経回路ダイナミクスを解明し、新たな治療法の開発に寄与する可能性を示唆している。 |